耐火煉瓦
種類について
けい石(SiO2)レンガ 粘土(シャモット)レンガ マグネシア(MgO)レンガ 高アルミナ(Al2O3)レンガ ジルコニア(ZrO2)レンガ などと、レンガを構成する主な化学組成により分類され、耐酸、耐アルカリ、使用温度、圧縮強度などにより使い分けられます。
耐火度は耐熱性の目安としてSK何番と表されます。
※標準三角錐はH.Segerにより考案されゼーゲルコーンとして知られており、コーンの溶倒温度により区分されている。
実際の使用においては温度のみならず、変質・亀裂よる剥落(スポーリング)、熱膨張、熱伝導率、
比熱容量、耐食性などを考慮し選定の必要が有ります。
けい石質れんが : シリカを主成分とするけい石らんがと石英ガラスを使用する溶融石英れんがが有り、
化学的性質は酸性耐火物である
けい石れんがはシリカ(SiO2)を主成分とする酸性耐火物であり、熱間強度が大きい、高温でも
収縮しない、比重が小さいなどの特徴を有す。 注意点として低温(100℃から300℃)において
異常膨張によるスポーリングの可能性が有る。
粘土質れんが : 耐火粘土を主原料とした粘土れんがや、ろう石原料を用いたろう石れんがが有り、
化学的性質は酸性耐火物である
粘土れんがはカオリナイト(Al2O3 2SiO2 2H3O)を主成分としAl2O3が45%以下のレンガを指し、
比較的安価で各種工業窯炉に広く用いられている。
シャモットとも呼ばれるが シャモットとはあらかじめ焼成した粘土を粉にしたものを指し、それを再び
粘土に混ぜ焼成時の収縮や亀裂に対処した事から呼ばれる。
高アルミナ質れんが : Al2O3が45%以上、耐火度がSK35番以上を指し、高耐火性、耐クリープ、
耐摩耗などに優れている。 化学的性質は中性である
高アルミナ質れんがはAl2O3が45%以上80%以下の物を言い、高耐火性・熱間強度大・クリープ性が
高い・耐摩耗と耐食性に優れているなどの特徴を有する。
ホウ酸が多いガラス溶解に、アルミナ含有量が多いものは適さない。
アルミナ質れんがはAl2O3が90%以上の物を言い、超高耐熱性であり、耐摩耗・耐食性・熱間特性にも
優れているが、膨張率が大きいため、耐スポール性は強くない
ジルコニア質れんが : ジルコンレンガ(ZrO2-Sio2)とジルコニアレンガ(ZrO2)が有り、化学的性質は
酸性である。
ジルコンレンガが一般的でありガラスやスラグに対して耐食性・耐スポーリング性が優れている、
熱膨張率が小さいなどの特徴を有する。
クロム質れんが : クロム鉱を主原料とし、耐火度は高いが軟化点が低い・スポーリングに弱いなどの欠点
があり用途は均熱炉などの一部に限定されている。化学的性質はわずかに塩基性よりの中性である。
マグネシア質れんが : マグネシア(MgO)の溶融点は2800℃の塩基性レンガであり、アルカリ蒸気に強い
特性を持つ。 化学的性質は塩基性である
マグネシア質・クロム質れんが : 高温焼成品は摩耗に強く、セメントキルン等に用いられる。
マグネシア50%以上の物をマグクロれんが、50%未満の物をクロマグれんがと呼ぶ
マグネシアーカーボンれんが : マグネシアれんがに黒鉛を10-25%配合し、のスラグ浸透性と耐スポー
リング性を改良した物。
スラグに強く、高熱伝導・低膨張・低弾性でスポーリングに優れるがカーボンの酸化やMgOの揮発など
の欠点もある。
ドロマイト質れんが : ドロマイト((CaMg(CO3)2)は苦灰石を指し、含有しているCaOの一部が安定化
されているのみであり、水と反応して消化を起こす。
マグカーボンへの移行が進み、一般的に使用されるのはセメント焼成炉などのごく一部にかぎられる。
化学的性質は塩基性である
スピネル質れんが : マグネシア(MgO)とアルミナ(Al2O3)からなり、融点はアルミナよりも高く、線膨張率は
マグネシアより低い。
熱伝導率、弾性率は小さく、耐スポーリング性に優れている。
炭化ケイ素質れんが : 熱伝導率や高温での機械的強度が高く、溶融金属にも濡れにくい。
耐火物としてのみではなく、熱交換器等の部品としても用いられる。
炭素質れんが : 熱伝導率が高く、膨張率が小さく、溶融金属に濡れにくく、耐スポーリング性のよい
高炉の炉床に用いられる。